2012年7月に読んだ本

個別に記事を書いた本以外にも、読んだ本を簡単な感想とともに月単位でまとめておこうかと思う。

仏教、本当の教え - インド、中国、日本の理解と誤解 (中公新書)

仏教、本当の教え - インド、中国、日本の理解と誤解 (中公新書)


テーマ設定は面白いと思ったのだが、個々の誤訳・改変をあげつらうばかりで、なかなか全体像が見えてこず不満。でもテキストが読み込まれて意味を豊かにする様子は面白い。


物語 近現代ギリシャの歴史 - 独立戦争からユーロ危機まで (中公新書)

物語 近現代ギリシャの歴史 - 独立戦争からユーロ危機まで (中公新書)


けっこう苦労しているギリシャの近現代史。要領よくまとめられているのではないか。

ヨーロッパにとってギリシャとは、19世紀まではイスラム世界との前線だったし、20世紀に入ってからは共産主義との前線だった。おかげで大国の思惑に左右されて自立した国づくりができなかった。やっと冷戦も終わったと思ったら、今度はユーロのおかげでバブって弾けてにっちもさっちも行かなくなってしまったし。かわいそうだが場所が悪いな。古代ギリシャへの憧れは、良い面半分・悪い面半分と感じた。


磁力と重力の発見〈1〉古代・中世

磁力と重力の発見〈1〉古代・中世


取りあえず1巻目を読破。とうの昔に時代遅れになった思想の数々にむける丁寧な視線は、著者の経歴と無関係ではない気がしてしまう。思想史ってそういうものだろと言われればその通りですが。ぜんぶ読んだら個別に記事を書くかも。