平成25年度税制改正大綱を眺めてみて

1月24日に出ましたね。大綱が。

取りあえず法人税のところだけ眺めてみるわけだが、もう既に時期が時期だけあって、自分のところで実務的に4月から対応しなければならないような改正はなさそうだ。

投資促進や雇用拡大、試験研究の枠拡大などインセンティヴ系の措置が目立つのは、自民党カラーを出してきた印象。ただ、民主党政権下でも法人減税をやった訳で、どちらの政権でも税についてはあんまり大きな流れは変わらない気がする。これは結構なことでしょう。

とは言え、投資促進も雇用拡大もハードルが高杉晋作で、自分のところでは使えそうにない。事業拡大の計画とかにタイミングがあった会社さんはラッキーだが、そんなに数があるとも思えない。金融政策で大騒ぎしているのに比べると、どうしても腰の入り方が弱い。財政大赤字な上に公共投資をガンガンやろうっていうのだから無理もないが。

漠然と思うのだけれど、必ずしもネット減税でなくてもデフレ脱却に資するような法人税制は考えられないか。例えば、いまは特定同族会社に適用されている留保金課税みたいなやつを一般化してみたらどうだろう。稼いだお金を使わないと税金で持っていってしまいますよ、と。もちろん、これをそのままやると投資に対する課税になるので、超強力な投資減税とセットにする必要があるだろう。企業は投資じゃなくて配当を増やす方向に行くかもしれないが、それはそれで良いだろう。

これを(たしか)山形浩生が唱えていた段階的な消費税率upと組み合わせれば、消費・投資の両面で人工的なインフレを起こせるんじゃないか。金融政策より効きが確実な感じがするが。

でも政治家的には税制をいじるよりも日銀の尻を叩いてみせる方が安全パイには違いなく。。。実際、どういう税制にすべきかも、まあ真剣に考え出したら難しいでしょうな。

(追記)
国際課税のところを見たら、移転価格を検証するときの利益指標としてベリーレシオが追加されるそうだ。妥当な改正だと思うけれど、もっと早くやれば良かったのに。