投資減税について

既に報道されていたとおりですが、今年の税制改正には「思い切った」投資減税が盛り込まれるようです。まあ、昨年の税制改正ではいった設備投資減税は、あまり思い切りが良くありませんでしたからね。

思い切った投資減税で法人負担軽減=成長戦略最終案

 2013年 06月 12日 19:26 JST

[東京 12日 ロイター] - 政府は12日夕、産業競争力会議を開き、14日に閣議決定する成長戦略の最終案を提示した。前週にまとめた素案の通り、成長戦略を含む三本の矢の実施で、今後10年間の平均で名目成長率3%程度、実質成長率2%程度の成長を実現することを目指すと明記。10年後には1人当たり名目国民総所得(GNI)が150万円以上拡大することが期待されるとした。

素案発表の後に安倍晋三首相が明言した投資減税については、「生産設備や事業の新陳代謝促す枠組みを構築し、思い切った投資減税で法人負担を軽減する」と明記した。

(略)
今後3年間を「集中投資促進期間」とし、税制・予算などあらゆる施策を総動員。3年間でリーマン・ショック前の年間70兆円の設備投資に回復させる。

具体的な内容はまだ分かりませんが、ちょこまか加速償却なんて程度でない仕組みを期待したいものです。

インパクトとしては単純な表面税率引き下げに劣ることは否めませんが、デフレ脱却を考えるならば投資を直接刺激するほうが明快でしょう。実効税率が下がっても企業が投資に向かうとも限らないですしね。また、財政的にも少ない負担で効果を狙えるのではないかと。

一方、、、

企業の設備投資、投資減税だけでは動かない=経団連会長

 2013年 06月 10日 16:14 JST

[東京 10日 ロイター] - 経団連米倉弘昌会長は10日の定例会見で、安倍晋三首相が企業の投資減税を柱とした成長戦略を秋にもまとめることを表明したことに歓迎の意を示す一方、「投資減税だけでは(設備投資は)動かない」と述べた。

成長戦略を工程表に沿って着実に実現していくことが重要」とし、経済が成長に乗ることで需要が拡大すれば「設備投資が実現していく」と語った。

需要が先だというのは正論には違いないです。しかし、このオジサンは、こういう時に、こういう顔して、こういう事を言うかね、と思ってしまいます。税金まけようって話なんだからリップサービスのひとつでもしとけば良さそうなものなのに。だいたい、需要拡大で経済成長ってのはワタクシども民間の仕事では。

報道の切り取り方もあるだろうけれど、上から目線で論評するだけじゃ済まされんよね。

引いて(pull)なら押して(push)みなという話はあるので、投資減税だけで企業が動かないならば、留保金課税みたいな仕組*1でケツから押してやる手もあるかも。ホントに。

*1:これについては[http://bookkeeper2012.hatenablog.com/entry/20130126/1359214345:title=先日も少し書いた]のですが、企業が留保利益を海外に移したりするだろうとか思うと、実装は大変難しい気がしてきた。