『デンジャラス・ラン』 ピシッときまったスパイ映画

飛行機の中で上映時間が長くないと言う理由で選んだら望外のアタリだった。謀略と裏切りの世界を描く、いかにものスパイもの。追われるのと、追うのとの板挟みというひねったシチュエーションが技あり。

しかし、デンゼル・ワシントンを見ながら「どっかでこんな映画見たなー」という印象がぬぐえず。後で思い出したが『トレーニング・デイ』だった。ペーペーの主人公が、ワシントン演じる強烈な役柄に対抗しつつ成長していくというプロットがまるで同じである。短い時間軸の中に、テンポの速い展開をぎっしり詰め込むやり方もよく似ている。どちらかというと『トレーニング・デイ』の方が面白かった気がするが、時間を置いて見たことだし、本作は本作で面白い。サスペンスやアクションでも大味な映画が多い中でキラリと光っている。